乳がん・子宮頸がんについて
学んでみよう!

がんは、
若い世代の女性にとっても罹患するリスクが
高い病気です。
次の8つの解説で「子宮頸がん」「乳がん」、
そして定期的な検診と早期発見・早期治療の
重要性について学んでみましょう。

2人に1人ががんになる時代です

日本人女性のうち生涯でがんになる方の割合は47パーセント。およそ2人に1人ががんに罹患するリスクがあります。

日本人の2人に1人が
がんになる

生涯がん罹患リスク
女性 47%
男性 63%

出典:国立がん研究センターがん情報サービス(2012年データに基づく)

生涯がん罹患リスク

検診でがんを発見できれば
生存率が高くなります

「検診によりがんが発見された場合」の5年相対生存率は、自覚症状など「検診以外でがんが発見された場合」に比べて高くなっています。一般的に初期のがんは自覚症状がないので、検診で早めにがんを見つけることができれば、命を救える可能性が高まります。

5年相対生存率

あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』

部位別5年相対生存率
(1993年〜1996年診断患者)

部位別5年相対生存率(1993年〜1996年診断患者)

子宮頸がんはウイルス感染が原因のがんです

子宮頸がんは、子宮の入り口の頸部にできるがん。おもに性交渉によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因で発症します。20代女性のかかるがんの第1位であり、「女性の誰もがかかる可能性があるがん」だといえます。初期に自覚症状はありません。

HPV(ヒトパピローマウイルス)とは?

  • 皮膚や粘膜に感染するウイルス
  • 感染はありふれたもの
  • がんに至るのは、排除されず持続的に感染した場合
  • 検診を定期的に受けることで、がんになる過程の異常や早期のがんを発見できる
HPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)とは?

年齢階級別 子宮頸がん罹患率推移

年齢階級別 子宮頸がん罹患率推移

出典:がん対策推進企業アクション ホームページ

子宮頸部細胞診で
がんになる前の異常も見つけられる

子宮頸がんは、異形成という前がん病変(がんになる前の状態)を経てがん化するのですが、子宮頸部細胞診では前がん病変の状態で発見することもできます。検診なら無症状の段階から早期発見ができて、早期がんの段階であれば生存率はほぼ100%になります。

子宮頸部細胞診でがんになる前の異常も見つけられる

子宮頸がん検診は痛くない

子宮頸がんは子宮の入り口である「頸部」にできるがんで、検診では医師が子宮頸部をブラシや綿棒でこすって細胞を採取します。採取した細胞を顕微鏡で調べる検査で痛みもありません。

カーテンがあるから医師と顔を合わせずに検査可能。所要時間も5分程度ですみます。

早期がんで発見できるのは1~2年
だから、子宮頸がん検診は1年に1度

たった1つのがん細胞が検査でわかる1センチほどの大きさになるには、10年から20年かかります。しかし、1センチのがんはたった1~2年で2センチほどの大きさになります。
今年のがん検診で発見できない初期の子宮頸がんが、1年後の検診で見つかることもあります。子宮頸がんの発見のためには、1年ごとの検診が必要です。

早期がんで発見できるのは1~2年

乳がんは早期発見で
完治の可能性が高まる

乳がんは乳房の乳腺にできるがんです。日本人女性が罹患するがんの第1位で、11人に1人がかかると言われています。初期は自覚症状がありません。がんが5mm~1cmほどに大きくなるとしこりとして触れることもあります。しこりが2cm以下でリンパ節に転移のないステージⅠまでならほぼ完治が見込めます。

乳がん(女性)
ステージIとステージIVの10年生存率

ステージIとステージIVの10年生存率

若い世代におすすめな
乳がん検診は「乳房超音波」

乳がん検診の検査方法には「乳房超音波」と「マンモグラフィー」の2種類あります。若い世代は、乳腺密度が高く、「マンモグラフィー」ではしこりが見つけにくい場合があるため、「乳房超音波」がおすすめです。

「乳房超音波」
検査時間:10分程度

乳房に超音波をあて、モニター画面で乳房の断面映像を見ます。触診ではわからない小さなしこりを発見でき、しこりの内部も見えるので良性か悪性かがある程度わかります。検査時の痛みはありません。

乳房超音波

「マンモグラフィー」
検査時間:10分程度

乳房を板のような装置にはさんで圧迫し、レントゲン撮影します。触診ではわからない小さなしこりや石灰化(カルシウムが沈着したもの)を見つけることができます。

マンモグラフィー
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